パーパスモデル 人を巻き込む共創のつくりかた – 吉備友里恵・近藤哲朗

 

・パーパス:より良い社会を実現するための行動原理

・パーパスモデル:パーパスを中心とした共創プロジェクトの設計図

この様に最初に定義されています。

 

最初に挨拶が書かれていて、パーパスモデルの基本的な見方・作り方・意図などの説明があります。その後に様々な事例とそれについての説明があり、3章でパーパスモデルを作る際の具体的な注意点・コツなどが書かれています。最後にパーパスモデルを通じての重要性など、即ち理念的な事が書かれている構成になっています。

読後に凄く納得しましたが、この順番がとても良いです。事例を挟んで基本的な事と具体的な事が書かれているので、パーパスモデルの効果や作る際に陥りやすいであろう難しい部分が理解できました。恐らく3章をしっかりと伝えないと技術に走り、表面的な適応になってしまうと感じました。

 

建築と経営のあいだ研究所(通称:あいだ研)」のインタビューとオンラインミーティングにて吉備さんのお話を伺いましたが、その時には失礼ながらパーパスモデルを知らず、お話を聞いてから読みました。お話を聞いていただけでも関係性を把握するのに良いと感じましたが、実際に読むとこのモデルを中心として活動する事が重要なのだと思いました。

 

パーパスモデルを自分で作って扱うとなると、記録・関係性把握・変化の記録・戦略検討資料・広報資料・説明資料としての利用が考えられます。ただもう一方の方法として他者へ表現するのでは無く、自分の内省手段として利用できそうな感覚も得ました。本にも紹介されていますが、パーパスモデルに時間軸を入れるとモデルの色彩がグラデーションを描いて変化するように表現でき、それによって見えるものが沢山あると思います。そこには作成者側でしか見えない「意図」「介入」の表現が難しいので、自分でモデルを作った場合には相当な経験値を得ることが出来そうです。しかもパーパスモデルの作成自体は沢山の人が関わる事が可能なので、関わる深さも様々になります。という事は沢山の人が様々な経験値を積め、そして次の事例に応用できると考えられます。

 

この様に考えると、吉備さんが仰っていた通り「まず作る」「やってみる」が大事なのだなと再認識しました。パーパスモデル自体は人の関係性が有れば作る事が出来るので、家族・職場などの小さい範囲でも適用できます。まずは評価する事を目的にせず、単にモデルを作る練習として始めるのも面白そうです。