正確な定義は無いですが、弊社としては「自社以外の設計事務所。または設計に関わる事務所」と考えています。一般的なイメージでは協力事務所として、遠方現場の際に地元で対応するローカルアーキテクト、作図の手伝いをする下請事務所などを思い浮かべると思います。また建具・家具などでメーカーに「図面協力」という形で関わってもらうのも近いイメージかも知れません。協力事務所という言い方は少ないかも知れませんが、意匠設計・構造設計・設備設計・電気設計を始め、積算事務所・省エネ計算事務所なども自社から考えると協力事務所と考えられると思います。
意匠事務所の業務範囲では最近、企画・デザイン・基本設計などを分ける事が多いですが、それらもお互いに協力しあって作業をしています。また作図・模型作成・パース作成・行政調査・法確認・事前協議対応・確認申請対応などが分業化されていて、それらを対応する事務所は協力事務所と考えられます。
弊社では協力事務所として業務を行う事で、依頼してくれた設計事務所がその時間で自社の強みを活かす事に注力して設計して頂く事で、建築主に喜んでもらう事を目的としています。
■業務内容
弊社の場合は「デザインを行わない」ので、主に行政調査・事前協議対応・確認申請対応・作図などになります。
【行政調査】
発注者(設計事務所)より敷地・用途・規模などの条件を頂いて、行政HPや窓口にて都市計画情報(用途地域など)や道路情報・必要手続きなどを調べます。
基本的に発注者側でも調べている事が殆どなので、弊社の役割としてはダブルチェック・事前協議関係の流れや詳細を調査する事が多いです。
戸建て住宅レベルの場合は道路種別・道路台帳や境界画定図の取得・狭隘道路の協議内容の調査くらいが多いですが、共同住宅や延べ面積500㎡を超える様な中規模建築物になると、開発可否の事前相談・緑化条例・福祉のまちづくり条例・景観条例・風致地区・集合住宅条例などが設定されている事が多いので、それらの該当条件・工程・必要書類・作成内容などを調査してまとめます。
【事前協議対応】
この業務は行政調査から続く事が多く、時々完了検査のみの対応などもあります。途中からの場合でも一連の流れや条件を知る必要があるので、指導内容は一通り確認して進めます。
各協議の必要書類・必要図面や内容をまとめて発注者に伝えて、書類などの弊社で準備出来るものは対応して揃えます。図面や写真は基本的に発注者側で対応して頂き、弊社で取りまとめて行政へ提出します。その後の質疑対応も窓口は弊社とし、必要な質疑は発注者に確認しながら進めます。
書類授受・窓口対応も基本的に弊社で行いますが、考え方などを擦り合わせる時などは発注者に対応して頂いております。
【法確認・審査機関との協議】
役所調査・行政手続・確認申請代行などをしていると、建築基準法の法確認の相談もあります。弊社では法確認の様な業務は行っていませんが、その様な御相談をされた場合は、法規コンサルタントの様な方と組んで対応しています。またその他の消防法・条例の確認・民泊などでの旅館業法・保健所対応などは行っています。ただし最終的な判断は発注者として行っていて、弊社はその確認のために動くという形になります。
審査機関への確認も同様です。資料や考え方などを発注者と協議してまとめ、その内容を受けて対面・オンライン・メールなどで審査機関と協議をし、その内容を議事録としてまとめて発注者へ報告します。
【確認申請代行】
発注者より確認図面を頂いて、そこから申請書類を作成します。この時点で弊社で分かる範囲の不備が有ればお伝えして修正して頂きます。
申請書類・図面をまとめたものを確認して頂き、それをオンライン・窓口にて申請します。基本的に発注者の希望する審査機関へ提出します。
質疑は窓口として対応し、審査機関からの質疑を整理して発注者へ報告して図面修正などをして頂きます。済証の受取まで行い、発注者へ納品します。
【作図】
平面図から展開図作成、平面図や立面図から建具表作成などを行います。他に平面図から求積図など。条例対応の図面は御相談の上で対応しておりますが、元となる図面は作成して頂きます。
設計の大元となる一般図・矩計図などは対応しておりません。また納まり・デザイン・設計の検討となる様な作図は対応しておりません。
経験より図面情報・最新図・漏れなどを避けるために、基本的に作図は発注者側に対応して頂く方が良いです。
■取引先
【設計事務所(個人設計事務所・アトリエ系設計事務所・中規模設計事務所・ゼネコン設計事務所)】
弊社の一番多い取引先は設計事務所になります。規模は1〜10人程度の事務所が多く、依頼内容も役所調査・行政協議・確認申請・作図など多岐に渡ります。人数が少ない事務所の場合は事前調査〜行政協議〜確認申請の様に1物件あたりの業務範囲も幅広く、多い事務所の場合は事前調査のみ・行政協議のみ・作図のみの様に、ピンポイントでの業務が多いです。
またアトリエ系と呼ばれる事務所からの業務では作図系の業務は少なく、調査・協議・確認申請の様な手続き系が多いです。作図系でも求積図・法チェック図の様なものが多いのが特徴です。
この規模の設計事務所の依頼は規模・用途・構造などが幅広いです。
中規模設計事務所・ゼネコン設計事務所の場合は、基本的に人数の多い事務所の特徴と似ていますが、時々物件一式に近い業務があります。基本設計図を頂き、そこから実施設計図・確認申請図を発注者に確認を行いながら進めていきます。この様な業務は弊社でも人数が必要になるので、都度チームを組みながら進めて行きます。よってタイミングが合えば対応している状況です。
【デベロッパー・ハウスメーカー】
敷地・一般図が決定している状態でお話を頂き、弊社で「行政調査〜図面内容確認(法確認)〜条例等の行政協議〜作図〜確認申請」を行う業務が殆どです。基本的に各社の仕様の中で進めるので、行政対応と作図が主になります。用途は住宅で規模は戸建て・長屋が多いです。
【建物管理会社・不動産】
個人の建物管理・不動産からの依頼は無く、一般的に企業と言われる規模の建物管理会社・不動産会社からの依頼になります。建物の改修・用途変更に伴う法確認・行政相談が多く、法規コンサルタントと組んでの対応が多いです。不動産会社からの業務で多い、土地購入のためのボリューム検討業務は設計・デザインになるので、基本的に対応しておりません。