ちょっと時間が掛かってしまった。
大きくは「貝塚でのオンライン企画」「地域による文化の違い」「初めてのいすみラーニングセンター欠席」かな。
色々書いたから相当長い。
・まずは貝塚。
4月末にも伺った大阪府貝塚市のコワーキングスペース「ポートフォリオ」。7月にオープンしたのと、個人的に幾つか考える事があったのでオンラインを絡めた企画を立てた。突拍子もなく思い付きでやってる様に思えるけど、一応最低限は自分の中で論理立てている。説明出来るかは別の話として。
今回は貝塚、愛知県の瀬戸からそれぞれ発表してもらい、そこにビジネス・戦略的な視点としてブランディングの考え方を加えてもらった。また参加者にも発言をしてもらい、それぞれの地域(居住地など何らかの地域には関わっているので)や活動で考えている事や今回の会で気付いた事を共有してもらった。
ポートフォリオのオンラインは「地域」「比較」「運営側と聴く側」「分かりにくい感覚的な部分に対しての明確化」というテーマが有った。個人的には得られた結果や検証内容は良かったと思う。段取りや精度を高める部分など、企画自体の流れや分かり易さについては沢山の課題があるけど。
幾つかのキーワードから
【自分事、他人事】
地域での活動や運営をやる様になると、この言葉に直面するのを理解した。感覚的には分かっていると思っていたけど、この様に分かり易い言葉で対立化すると理解が深まる。
今までいきなり自分で事業を起こしてきた人は別だけど、殆どの人はまず仕事として様々な事象に携わる。それらは期限が有り、色々な形で自分が関わる時期を終われば切り離す事が出来る。言葉はきついかも知れないが他人事である。
一方地域に関わるなど、自分で事業・企画を起こす場合は自分事になる。それに他人を巻きこめば巻き込むほど責任や義務は増えて行き、結果を求められる様になる。そしてそれは成功するか失敗するかまで続く事になる。仕事というより結婚とかに近い感覚だと思う。
地域に限らず自ら企画を行う時、この感覚を持っているかいないかでプロジェクトの濃度は変わり、ただ面白いだけか本気で付いて行こうかの判断材料にもなる。協働する人など、信頼してくれる人が増えるか減るかも直結する。
【街並み】
街並みから感じる感覚は人それぞれだが、その原因は地域への入り方やそれまでの経験が大きく影響すると思う。
建築や不動産をやっていると単に景色として見るのではなく、法律・歴史・価格・建築計画・設計意図・経年・耐久性・空間・動きなど、明示されていない部分が読める。そしてそれらに対して個々の考え方が有るので街並みに関して話をすると、一気に可能性が拡がる。
最近感じるのは、その街並みが造られた時間や関係性を考えながらある一点の家や土地を見る事が多い事。地主の家の様な場合、門の向きと道の関係に周辺建物の年代や自然を見て、その道が何時の時から有るのかを考えたりをしている。そうすると建物の向きや窓の位置、そこから見ているであろう景色を想像し、その建物の改修具合などを考えながら当時の街並みを想像するなど。
この様に考えるとそれぞれの街に固有な街並みが有ると解るし、同時にどの街並みにも共通の考え方が有るのも解る。そしてただ古いとかではなく、何が好きで残したいかなどを考える事が出来る。
【東京と一般的】
僕は生まれが東京で育ちは埼玉。学校や仕事で都内に通っている事が多かったので、ほぼ東京の感覚といって良いと思う。そうなると殆どが東京の感覚で進み、それが一般的と考えている。
東京以外の人が東京に出ている事の方が多いけど、それでも東京で会うと感覚は東京になる。時間・経済・文化・利便性など様々。
しかし東京以外の場所で話をすると自然にその地域の感覚が入ってくる。東京以外の人には当たり前と思われるが、東京の人は中々気付かない。全てが中心で常識だと考えてしまう癖が付いていると感じた。実際には違く自分だけの感覚なのかも知れないが、その問いを持てたのは大きな違いとなった。
【入口はバラバラだけど方向性は同じ】
「経済から地域を活性化する」「経済などとは別に、小さな人の動きから地域を活性化する」。他にも様々な切り口が有ると思うが、それらは入口が違うだけで最終的な目標は同じ。最終目標の表現の仕方が違う為に着地点が違うと捉えられる事も有るが、実際には「地域を良くしたい」という意識は同じ。
表面的な感覚・言葉で判断をせずに、しっかりと自分の意識で考えて判断をし、そこにある意義と可能性を捉える事が必要と理解できた。
【地域-素人-専門性】
地域で何かをやる時は様々な組み合わせがある。普通の仕事だと基本的に役割がはっきりしているが、元々形を成していない事を行おうとすると役割ははっきりしていない。またそれぞれの属性もバラバラなので用語なども共有出来ない事がある。
例えば「コワーキングスペース」。これは最近ではよく聞く言葉になっているが、地域住人で特に高齢者には理解されない。しかし施設としては利用者を限定せずに色々な人に来てもらいたいと考える事が多く、そうなると高齢者が興味を持つ事が多い。「コワーキングスペース」をどの様に説明するかが重要になる。
この専門性についてはどの場合でもあると思う。
例えば建築でも「容積率」というのがある。「敷地面積に対して作ってよい床面積の割合」という感じだが、これを建築主にどの様に説明するか。そしてその理由をどの様に説明して納得してもらうか。この様な事は沢山ある。
コワーキングスペースの件でも同じで、属性の違う色々な人に理解してもらうために説明をして理解してもらう必要がある。実はこの行為がとても重要で時間が掛かると感じた。
その様な意味でも、地域活動では営業や広報が必要だと考えた。上手く回っている地域ではその様な人が存在していると思う。
【ブランディング】
本当に大雑把にいうとブランディングの目的の一つに差別化かある。しかしそれは競争相手がいるから差異を強調するのであって、競争相手がいないと差別化も出来ない。
オリジナル性を強調する事もあるが、そもそも一般的なブランディングの考え方が適用出来ない。
佐野さんはそれをしっかりと受け止めてブランディングを行なっているが、素人が簡単に考えて手を出すと全く目的が違う事が起きると分かった。
・地域による文化の違い
どこに行っても感じる事だが、今回もいくつか感じたので。
【漬物への考え方】
関西というか京都には漬物の文化があると思う。数少ないが京都へ行くと漬物を買って帰る。
京都では漬物の種類が多く、関東では漬物として扱っていない物も多い。水菜の漬物などは関東ではまず見ない。でも食べるととても美味しい。
そんな話をしていて思ったのは、関東では漬物は保存目的、関西では調理の1つとして扱っているのかなと。
関西では漬物でも素材の味がとても活きていて、しかも他の調理では出てこない味を楽しめる。
この様な違いは面白い。
【人への近さ】
これは地域というより都市部とそれ以外だと思うが、人との距離が近い。
良く聞くのが「見慣れない人には防犯の為に声を掛ける」というがある。確かにその意味もあるだろうが、単純に好奇心が強い様に感じる。
同時に都市部とは違い情報が少ない。今は色々な手段が出来て情報を得られるが、身の回りのアナログ的な情報は他者が来ない限り殆ど変化がないので、情報を持ってくる人への感覚が鋭いのかもしれない。
【運転】
色々な人に名古屋・関西は運転が荒い、マナーが悪いと聞くが、僕は静岡~大阪の方は運転マナーが良いと感じた。
細かい一般道の事は分からないが、高速や国道に関しては酷く無いと思う。
もちろん強引な割込みに近い部分や車間距離が近いと感じる時も有るが、それはこちらの緊張感が低い時に多いと思う。
むしろ良いと感じたのは、凄く廻りを気にして運転している事。
遅い車はしっかりと道を譲るし、信号が変わったら直ぐに発車する。
当たり前の事だが、関東の方だとこれが少ない。運転の上手さも関係すると思うが、赤信号中にスマホを見ていたり、単純に周りを気にしないで運転をしている感覚が強い。流れに乗るとか。
要するに自分中心になっているのだけど関西ではそれが感じられず、「人への近さ」にも通じるが他者を感じて生活している雰囲気を受ける。それが人懐っこさや逆にウザイとかになるのかも知れないが、どちらにしてもコミュニケーションが活発な理由なのかも知れないと感じた。
同時に東京の方で感じる他者への興味の無さ。こちらも個人的には観察をしていきたいと思っている。
・いすみラーニングセンター
今回貝塚に行く事で初めていすみラーニングセンターを欠席した。確か高橋さんも何かで1回だけ欠席しているので、これでゼロペンギンで皆勤賞はいなくなった。まあ参加しててもどっか行っている時は有ったけど。
今回初めて定例を外部から考える事になったが、それによって幾つか感じていた事の精度が高まった。
【情報共有】
時々当日の内容についてFBグループに投稿されているが、基本的に自主的に当日の参加者へ聞かないと把握する事が出来ない。いすみラーニングセンターでは当日のプログラムの内容も有るが、同時にメンバー同士の会話やそこから派生する企画や考えを重視する傾向が有ると思っている。それによって個人ではなく数人のメンバーで小さな動きが始まり、そのトライ&エラーの様な動きが学びになっている。
情報が入ってくれば今のコロナ渦の様な参加が厳しい場合でもその感覚を保つことが出来るが、現状では情報が得やすいとは言えないと思う。僕の場合は出席していたのと情報を得る様にしているので結構把握出来ているが、それを他の人が行うのは結構ハードルが有ると思う。
初期の方は議事録の様にまとめていたが、反応も無いので止めてしまった。今に思えば続けていれば良かったと思うし、これからは出来るだけやった方が良いと思っている。議事録とかでも同じだが、記録として重要なのは要点では無くどうでも良い様な内容の部分。雑談やハプニング、意図しなかった動きなど、それらの方が後から読み返した時に記憶が繋がる。
確かに面倒だが、それが長い目で見たら重要になるので、ちょっと気を付けて行きたい。前に名畑さんに教えてもらった事がそのまま表れている。(5月のやつもまとめないと。少しずつ進めているけど)
【気付かずに学んでいる】
今回の貝塚もそうだが、最近少しずついすみ以外で地域について学んだり考える機会が増えている。
その時に感じるのは、いつの間にか学んでいる事。いすみやラーニングセンターで出会った人々から聞いた話や感じた事など、それらが何時の間にか自分の考えの中に入っていて、その上で新たな考えをする様になっている。確実に何かが変わっているし、それが分かるようになっている。
どの様な関係性やサイクルになっているかは分からないしそれを知る必要も無いが、今の状態を継続する必要が有るのは実感できた。
だいたいこんな感じかな。
出来れば今回書いた事も踏まえて、また色々と対話をして想像の付かない方向の感覚を得たい。