今回は自分の勉強がてらメモ代わり。
まあ、元々このblogなんてメモみたいなもんだから。
将来の為に沢山文章ためておきましょってな感じ。
「免震」「制震」どちらも地震に対する建築物の対応方法の一つなのですが、これにもう一つ「耐震」と言うのが有ります。
日本は地震大国で昔から大地震が多いので地震に強い建物を造らなければなりませんでした。昔の人は理論的な事をどこまで知っていたか知りませんが、結果的に大昔から日本には地震に強い建物が建てられています。
世界最古の木造建築物である「法隆寺五重塔」は710年頃に再建され、以来地震で倒壊した事は無いと言われています。その構造は「柔構造」と言われ継ぎ目が或る程度可動するようになっているのですが、地震に対するメカニズムはまだ解明されていません。
このように既に建っている建物がどのように地震に対応しているか、そしてその地震本体の解明がはっきり出来ていない状態で建築業界(構造設計者など)の昔の法律を決めた人達は、まず地震に対して「耐えて対応する」事から始めました。
これが即ち「耐震」です。
その方法は専門的には色々有り、基準も厳格に決められているのですが、大まかには
・ 強度(剛性)を上げて、堅くして耐える
・ (柳の様に)粘り強くして、力を受け流して耐える
の2つに分けられます。
前者は壁式コンクリート構造などに代表される形で、強固な箱を目指していると考えれば良いです。ただ、単純に壁の厚くしたりコンクリートの量を多くして強くしたりしても意味は有りません。建物全体が重くなってしまい逆に地震力を強めてしまったり、施工のしづらさを招き施工的に欠陥建物になってしまったりします。また経済的にも無意味にコストが掛かります。
後者は木造・鉄骨造に代表される形で、柱・梁を基本として筋交いなどの補強によって粘り強さ(靭性)を取るものです。この形にはコンクリートのラーメン構造も含まれるので、一概に材料によって剛性を取るのか、靭性を取るのかは決められません。
この靭性にて地震に耐える方法も、その構造体を単純に強固にすれば良いのでは無く前者と同じ考えが必要です。
基本的に耐震と言う考え方は「入力される力に耐えられるだけの物を造って耐える」なのでその基準をどこに設定するかが問題です。
建築基準法では色々な規定値が有りその数倍を満足する事など決められていますが、大地震が来るたびに基準が変更されています。最近では阪神淡路大震災を受けて基準値が変更されています。
この事から解るのは「決していかなる地震にも耐えようとしていない」と言う事です。
実際に建築基準法では想定外の地震が来た場合は「人命を確保する程度の倒壊」を許しています。
なぜどんな地震にも耐えられる様にしないのか?
これが一般の人の疑問でしょう。
色々な要因が考えられますが、
・ 過剰に耐震設計するとコストが高くなる
・ 現時点で解っている地震のレベルが最大だと考えられる
・ 対応方法が他に無い
特に最初の2つが大きいと思われます。
以上が耐震の大まかな考え方で、これを受けて「免震」「制震」と言う考え方に続きます。
(続き)
自分は木造をやっているけど、構造強度に関して、木造の規定っていうのは、木造の在来工法の本質をわかっていない。というのが自分の意見です。
現場の大工さんで50歳過ぎた方は100%法律はよくない。といいます。
というのは、法律の壁量に基づく、建物をとにかく壁と筋交い、金物などで固めるという考え自体が、日本の在来工法を理解していない結果だとおもいます。
で、本来の日本の在来工法というのは、一つ一つの継ぎ手仕口は構造的に言えばピン接点という位置づけになりますが、それを木のクサビや栓など締め付ける。ピン接点を木でもって少しだけ固定端にちかづける。これが一つ目のポイント。
その方針で持って、横架材をかける。この横架材もふたつ目のポイント。現代の木造の在来工法といっても、柱のしたに土台があり、2階の床レベルに胴差があり、上は桁がある。3つの高さに横架材が入っている。しかし4角だけが通し柱で、横架材の間に柱を挟みこんでいるような組み立て方であるからして横からのせん断力を負担している柱は4角をのぞいてなく、垂直荷重だけを支えるような柱しかないので、地震が来て、横の力が入ると、柱の根元のあたりががポキッとすぐきそうですね。それを防止するために金物と壁で柱と横架材を固める。つまり壁がないとだめですね。全然スケルトンだけでは成り立ちませんね。この構造をよしと考える法律の趣旨が理解しがたいです。
で、日本の一般的な昔ながらの民家は田の字型プランでその形のとおり、間取りは非常にバランスがいいのでただ単にそこに効果的に構造材が入っていれば良いという話しになります。で、どこの高さに横架材が入っているかというと、平屋で設定しますと、土台はなく、1階床下に「足がため」という柱より大きい断面の材料がはいります。で、次は建具の上の高さ(鴨居のたかさ)に「差し鴨居」という梁も入ります。でもって、柱の上に桁がのっかります。柱は基本的に通し柱で上まで1本です。桁を除いてすべてが柱間に挟まれており、ここら辺が基本的構造。なので柱ががっちりしているわけです。最終的に中央にある大黒柱ががっちりした基礎石の上にあり、大きな断面なほどりっぱな木の幹のような役割になるので、大地震が来たときの決定的な倒壊を避けられます。柱の横からのせん断力を生かせる材が均等な高さに入っていているので、抜けないよう考えで決められている仕口があるので、柱の下の基礎石のさえがっちり固めてあれば、横架材の水平は保たれます。完璧な剛構造でないので、地震によっては傾きますが、傾きを直して、また栓・クサビを打ち直せばまた強制して形を正すことは可能です。
そのほかにも、床したの大引きも古いお宅では大きな断面の材を使って、効果的に構造材になってますし、侮れないのは「貫」です。現代の木造には皆無になってしまいましたが、あれを壁があるところにはいれておき、すべてクサビで締め付けると、家全体に粘りのあるピン接点が多くなるので、多少傾いても絶対に倒壊しない家になるというかんがえです。なのでスケルトンだけでも、建物の構造が完結してます。こういう構造の特徴があるので今風な言い方をすれば雰囲気は規定されますがリノベーションしやすいでしょう。
で大地震でよく瓦の家が倒壊している映像を流していますが、確かにそれも現実です。いえるのは昔の瓦で、その下地も泥でやっているやつは、現代の桟瓦(置くだけみたいな構造)のものより数倍重いといわれます。さすがにそれだと大地震の負担は大きすぎます。古いものの中にも、扱いが悪いものがいくらかあるようです。あとは、改装改装で構造のバランスが悪くなったもの、抜本的に材が悪いもしくは腐ってしまったまま手をつけずという結果だと思いますが、万が一大地震がおきたときは現場を確認しておきたいところです。
構造っていっても方針を明確に打ち出して欲しいと感じます。そこらへんがわかりづらい法律でもあるとおもいます。
長々すいません。
>>kagamiさん
貴重な意見をありがとう。
確かに木造の場合は建物が先に有り、経験で成立した耐震構造で何百年と続いていたものに後から法律をくっつけたという感じがしますね。
細かい部材の話やその効果はこれから絵でも描いて理解するとして、何でも今の状態が正しいという考え方はいけないと思います。
君が言っている通り、木造で「固める」と言う考え方は木造の本質とは逆を行っているように思える。
しかしそれも素人でなく、当然うちらよりもプロの先生方が考えた結果なのだから迷ってしまう。
個人的には木造は接合部の遊びが肝だと思っていますが。
こういったことを酒を飲みながら話すと面白い。