
著者が長年講義をしてきた内容をまとめた本です。初めて大学で講義したものから最近まで色々な学校・場所で講義した内容を元に、この本のためにまとめ直しているので凄く筋が通った内容になっています。本の種類として「単発の講義をテーマが似た内容でまとめた本」ではなく、あくまでも1年の講義をまとめた様になっています。
最初に書かれている通り、大学の講義だがこれから建築の初学者には少しハードルが高い内容になっています。一通り建築を学んだ人が対象で、建築に対する考え方を学び直す事を目的としてまとめられています。そのためには一旦建築を外から見ることが必要と著者は考えています。建築以外を見るときに建築の考え方を当てはめる行為をすることを経験する事が重要で、その上で再び建築を学ぶ事で、建築に必要な考え方を知る様になるという内容です。確かに建築に限らず色々な事は一旦外部から見ると気づく事が多いと感じます。
最初は建築から離れていて、物事の考え方・認識の仕方などから書かれています。個人的にこの部分は好きなので面白く読み進めましたが、建築関係の書籍でこの様な部分をしっかりと書いているのは珍しいと思いました。
そして「ヨコとタテ」これは建築のプロポーションなどの表面的な話ではなく、相違をヨコ・類似をタテと捉えて考える様な思想的な話になっています。これにより建築を考えるのに影響を与える事柄を、建築内外から説明できる様になっています。最初の方は概念的な事だから分かりやすいのですが、読み進めるにつれて複雑になっていきます。最初に書いた通り通年講義の様な構成なので、途中からだとそれまでの話が分からないのでついていけないと思います。
久しぶりに建築の思想的なのを読んだので、普段使っていない頭を使った気がします。時々こうやって起こさないと固まりそうなので、時々はこういう系の本も読もうと思います。