来年の地デジ化、若者のTV離れなどでTVの扱いも大分変わってきますが、今でも生活の中心・リビングの中心がTVという人は多いと思います。
TVの良し悪しは様々な考え方が有るのでそれに任せますが、個人的には「無くす事は出来ないけれど、出来るだけ観ないようにしたい」「TVに振り回されないようにしたい」です。こう書くと個人の意思だけの問題ですが…
自分の場合、昔からTVの位置は決まっていてベッドに平行が基本です。6畳の部屋で短辺方向にベッドを置き、その反対側の短辺にTVを始めとしたAV関係を置くのが画面を観る距離なども含めてベストです。現在ではそれ程TVの事は重要で無いので、観る時に苦しく無い程度ならばどこでも良いという状態です。
部屋のレイアウトをする上で一番は寝床の位置だと思いますが、TVの位置というのは結構な重要度を占めています。それこそリビングだと入口から一番遠い面の壁面を使用して、その周りにソファーなどを置いて構成するのが多いのではないでしょうか。それが使いやすい、便利、正解なのかは別として。大体その位置にTVを置く事を考えて窓からの日差しの入り具合、キッチン・食卓などとの関連を加えて細かい位置を決めて行くと思います。
一応設計でもそのあたりを想像して部屋のレイアウト、窓の位置などを決めて行きます。個人住宅などでは実際に住む人と直接会話が出来るので考え方も聞けて設計にも反映できる。しかしマンションや建売住宅だと住む人の顔が見えてこないので、想像で一般的(消去法)でレイアウトを考えます。そしてこれが結構面倒。
設計をやっている人で、特にインテリアが好きな人はこの内部レイアウトにこだわる人が多いです。「そんな事より建物全体の設計出来ていないのだから、早くそっちやれよ」と思う時もあるのですが、一度はまったら抜け出せない人が多いです。
自分の場合は「部屋のレイアウトは住み手の楽しみ」と考えていますし、自分自身が新しい部屋に入った時に全てレイアウトが決められていたら不快感を覚えます。それに一人暮らしなどで数年で引っ越すならばともかく、10年単位で同じ部屋にいたらレイアウトに飽きて模様替えしたくなります。建築に携わっている者ならなおさらだと思います。それなのに設計者はレイアウトを決めたがる。不思議です。
これを避けるのは家庭内で数年に一度部屋の入れ替えをするのが良いと思いますが、聞いた事がありません。想像するだけで面倒なので当然でしょう。
こう言っても設計した部屋が使い勝手が悪ければ売れないですし、クレームが来ます。そもそも自分自身も気持ち悪い。よって設計時にはきちんと検討はします。しかしいつも自分の考え方が使いやすいのかは自問自答です。結構特殊な使い方を好むので一般的なレイアウトにする事に苦労しています。
こんな状況なのでTVが必要ないという状況はとても楽ですし、そもそも自然を取り入れた、環境を考えた設計が出来ます。太陽の移動に併せて光を取り込み生活の場を考える。TVと言う固定された物が無いので部屋の使い勝手が拡がります。極端に言うと同じ事が寝床にも言えるのですが。ベッドではなく布団を毎回敷くようになればそれこそ家の中で自由ですから。
どうも設計者は「この使い方が一番空間を良く出来る」などと言って使い方を固定してしまう気がします。しかしそれ以上に施主が設計した空間をどう使うか?それによって新たな発見を見つけるか、施主が空間の使い方を工夫しだして興味を持ったなどと新しい状況を許容して学ぶ必要があると思います。一応プロとして設計をしていても、生活する事に関しては全ての人がプロで、その人の好みに対して少しのアクセントを加えてあげるのが良いのではないかと。
そりゃ、大御所になったら自由で無意味な空間造りますけど。