スローカーブを、もう一球

スローカーブを、もう一球-山際淳司
ISBN:978-4041540022
スポーツノンフィクション作家として有名な山際淳司の作品。多分代表作だと思います。
表題の短編の他に確か7編ほどが綴じられています。
表題作も有名だと思いますが、一番は本作にも収められている「江夏の21球」が有名だと思います。この話はTVでも検証されたりしているので知っている人も多いのでは?
僕もこの作品で山際さんを知りました。多分小学生か中学生の頃だと思いますが、丁度自分が野球をやっていたのもあって凄くスムーズに読めました。今読み返して分かるのが文章の上手さです。このおかげで子供の頃でも臨場感溢れて読めたのだと思います。
山際さんの文章は最近のスポーツジャーナリストの文章とは違い公平です。事実を正確に綴り、淡々と物語が進んで行きます。しかしその文章の奥から主人公・スポーツ・その場面に対する気持ちが滲み出ています。これは本を読みなれているではなく、スポーツに真剣に取り組んだ者ならば感じる部分です。
本作ではタイトル作で高校野球の地方大会、「江夏の21球」ではプロ野球日本シリーズ、その他甲子園・陸上競技・カヌー・スカッシュなど多分野に亘って書かれています。そしてそのどれも競技内容がわからなくてものめり込んで読むことが出来ます。
スポーツをやっている、やっていた人にこそ読んで欲しい本です。