武田信玄

武田信玄-新田次郎
ISBN:978-4167112301
山岳系の小説で有名な新田次郎の作品。
著者は山岳小説家として捉えられるのを嫌っていたらしく、この作品を始めとした歴史小説を気に入っていたみたいです。
他の作品でも同じですが、確固とした登場人物の強さが書かれているので読んでいくうちに自然と感情移入が出来、読み進むと自然と好き嫌いが出てきます。同じように舞台や時代が違い、目的が違うので場面数は少ないですが、景色などの背景の描写もしっかりしています。ここら辺は山岳系の小説で磨かれたものだと思います。
戦国時代の小説はそれなりに読んでいたのですが、真田太平記から入ったためかそれ以降の時代しか読んでいませんでした。たまたまですが、秀吉の時代や関が原・大阪の陣などに関連するものが殆どです。まあ、秀吉が朝鮮出兵に失敗した辺りから大阪夏の陣までの家康が様々な駆け引きをする期間が「戦い」を除いて一番面白い時期なので、書かれている本も多くなり自然と手にする機会も多くなるのですが。
一応小学生の頃から「信長の野望」で遊んでいたので、信長の台頭くらいからの勢力地図などは細かい部分を除いて頭に入っているのですが、元々日本史が苦手でそれ以前(鎌倉時代・応仁の乱)を知らないので何故大名が出てきたかなどあやふやです。結果としてこの小説からはそのあたりは分からなかったのですが、それでも信長の台頭以前の時代が分かり、少しずつ歴史がつながってきています。
もちろん「歴史小説」ですから史実に基づいたフィクションです。今回の武田信玄も書く人によってキャラクターが違いますし、内容も変化します。ただ読んだ感想として、最初に読んだ武田信玄がこの作品で良かったです。部下の武将を含めて魅力的に書かれており、また好きな真田家の扱いも良かったからでしょう。あと山本勘助の扱いが丁度良かったからでしょう。
時代が古くなればなるほど資料が少なくなり、その為歴史小説として書かれる本も少なくなります。それに歴史上高名な人物ほど誰かしら扱っていて、その歴史人物の代表作となる傾向が高いです。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」などはそうですね。
今回この時代を読んだ事で、派生する武将の話などを読もうと考えているのですが、順調に手に入れる事が出来るかどうか。