最近の建物は領域を不明確にするとか、有機体にするとか、ヌメっとするとか、色々で昔みたいに矩形の形でなく、曲線を多用した平面形であることが多いです。それも円とか楕円とかだけでなく、正にフリーハンドっといった形状の曲線。
外形がそうなると同じ考えで内部の間仕切りや空間の領域も曲線で考えられていて、なんだか良く判らない曲線が沢山の平面形になります。
そういった形は僕も設計をしていて採り入れますし、理解もします。もちろん時には凄すぎて理解できない物や、逆に単に流行と形だけを追ったのだろうと言う物もあります。しかし設計をしていて思うのは「図面が描き辛い」って事です。
基本的に建築は出来上がること、造る事が前提なので、設計図に描く線も「意味の有る」線にしなければなりません。この「意味の有る」の意味にも色々な考え方があるのですが、今回は「造れる線」「数式になる線」と言う意味です。
設計の段階ではフリーハンドでも良いのですが、造るときはその線が「曲率がいくつか?」「何曲線か?」「角度は何度か?」など判らないと造れません。職人さんに「適当に造っといてー」などとは言いたくても言えませんし、職人さんが墨だしした線を見て了解する事も設計者として恥ずかしくて出来ません。要はどんな細かい曲線でも理論として成り立つ線にしなければなりません。
もちろん現場で判らなかったら、それがどういう曲線か教えなければなりません。
このように曲線多様の建築は色々面倒なことが沢山有るのですが、設計段階で個人的に気になっていることが有ります。それは「どうやって求積しているのか?」って事です。求積とは面積を求めることです。
建物を設計する際に行政に書類(図面)を提出しますが、その中に面積を示す書類(図面)が有ります。昔は建物全体の枠で面積を出せば良かったのですが、最近では各部屋の面積まで求めなければなりません。
昔の矩形の部屋が沢山の場合は面積計算も「縦×横」で良かったのですが、最近の曲線多様の建物の場合はどうしているのでしょう?
円弧や楕円などの組み合わせだけならば、それでも十分面倒ですが、どうにかなります。しかしそういった範囲から離れた曲線、二次曲線やサイン曲線…などの場合どうしているのでしょう?微分積分などを使って面積計算しているのでしょうか?そしてそれは行政や民間審査機関の担当者は理解できるのでしょうか?
また、求積では不思議と言うか納得いかない面も有ります。
設計段階(確認申請段階)で行政と打ち合わせしている最中は計算式が間違っていたり、小数点第二位の数値が違っていたり、小数点第三位の四捨五入と切り捨てで揉めたりして、1000㎡くらいの建物の内の、0.01㎡の違いとかを細かく指摘されます。もちろんそれは書類上必要なことでしょうし、向こうも仕事なのでどうにか納得しますが(時には不毛と思い寂しくもなりますが)、完成した建物に対してはそこまできっちりと検査をしないのですのよね。まあ、されたらこちらも相当に困りますが。
恐らく偽装問題などの影響で、CADによる求積の採用は当分無く、図面上で判る三斜求積と計算式での表現が続くと思いますが、それもどうなんでしょうねー?
一番はデーター提出かな?それも大分前から言われているけど、どれだけ進んでいるのでしょう?