今日は最近蔵移築のワークショップ(WS)やランニングでやたらと会っている友人が担当した住宅の見学会。この建物も山形の鶴岡に建っていた蔵を移築して住宅にしたもの。さいたま市から延々と電車にのって辻堂まで、小旅行です。
現場に着くと外観は思ったよりモダンな感じ。もっと日本住宅、古風、民家っぽいイメージを勝手にしていました。友人の働く事務所が手がけた物件は4件ほど実物を見ていますが、やはりどことなく系統が感じられます。
中に入ると2階は蔵のイメージを受け継いでいて、その設計過程や考え方などがストレートに感じられましたが、自分としては1階が「やられた!」って感じでした。
蔵の移築なので構造体は決まっています。設計をするに当たっては有る意味改装になります。大枠の決まった中に必要な諸室を入れ、導線を計画し、意匠的にも妥協をせず、設計をまとめる。自分が同じ仕事をしているからなおさらその大変さがわかります。
今日は時間が無く、また参加者が多いため直接話せる時間が少なかったので確かめられなかったですが、2階の設計より1階の設計の方が倍以上労力が掛かったのでは無いかと思われます。
友人には失礼な言い方かもしれませんが、2階のプランについては自分からしたらイメージの範囲内。キッチン廻りの納まりは細かいのが好きな友人らしさが出ていました。サッシも見せるところと見せないところ、コストをかけるところとかけないところをしっかり見極めて選んでいました。建具の納まりも「大工さん苦労しただろうなー」って感じで、最近建具の納まり図面を描かなくなった自分からしたらうらやましく思いながら戸を引いてました。
そんな2階に対して、完全に生活スタイルを反映した1階のブラン、住宅設計では避けて通れない道ですが、決定するまでに紆余曲折が有り、有る意味施主のスタイルがとても現れているプランでした。見学会に来ていた人は古民家の移築、その納まりなどをメインに見ていたと思われますが、個人的には1階の納まりの繰り返し、設計者の意地を見た感じがしました。
全体的に個人として好きな意匠、プランだったので見学して理解するのには時間が掛かりませんでした。個人的な好みを言えばストーブではなく、囲炉裏にしたいです。
設計を本業にしていますから建物を見るのに時間は掛かりません。むしろ建てている途中の方が時間を掛けてみるので、一軒家ならば30分も掛からず見れます。
ちょっと待てば所長さんの解説講義が聞けたのですが、恐らく酒の入った席で直接聞いた方が面白そうだし、次の予定もあるので45分くらいでお暇することに。
見学会に当たって一応カメラを持っていったのですが、結局一枚も撮影せずに帰ってきました。
いくつか理由があるのですが、それを一応記しておきます。
撮影に時間を掛けるよりも、その分自分の目で見て感じる事を優先したい。
住宅というプライバシーの有る建物なので撮影するのがはばかられる。
外観写真ならどうにかなるが、内観写真は素人の撮影では納得のいくものが撮れない。(友人のプロカメラマンの写真を見ているのでなおさら)
建物を見ていると撮影するのが面倒臭い。
仕事柄、完成した写真よりもその途中の写真の方が欲しい。
写真を撮って見るより、図面を見たい。
などです。
そんな感じで見学会を終え、折角辻堂まで来たのだから小田原の干物が安いお店まで買い物に行くことに。
時間が経つにつれて、昨日のランニングで無理したつけでどんどんひどくなる全身筋肉痛と闘いながらお店へ向かいます。小田原からは電車の時間の関係などで1駅歩いたのですが、足はもちろん、腹筋、背筋がきました。
その苦労の甲斐有って、大量に干物を安く購入して帰路へ。
なかなか充実した一日でした。
はるばる遠いところから来てもらってありがとうございました。あの再生事例は今の人でも抵抗無く住める家でありながら、古民家の雰囲気を効果的に出すというポイントにおいては見所があったのかと思います。
どう見ても、隙間風と戦う家には見えなかったはずだとおもいます。でも、やはりいくらか無理に柱を切ってしまったりというところはいくらか多くあります。民家再生ということを尊重するとすこし残念な面も数点ありましたが、今のお客さんにマッチできる家として蜜に打合せを積み重ね、最善の選択肢の結果があの家になったわけです。
外観はあの風土のイメージから言って純和風の腰壁ありの上は白漆喰ではぜんぜんしっくり来ないので、ここだけの話所長の意見よりお客さんの意見を尊重しながら自分がデザインコントロールしました。最終的に外壁のやわらかい左官仕上げを全面的に見せるにはああいったデザインのほうがさわやかな風が似合うであろうと思うので、高台の上にある湘南の家としては適切ではないでしょうか。
辻堂駅から登り坂を登り始める前の交差点から、その家はばっちり見えるので、あそこで純和風にしてしまうと、見栄っ張りな安土桃山城みたいに見えるはずだし。お客さんもそういう人でないし・・・というわけです。
1階でも本来の蔵の大枠がイメージできるように、収納脱衣トイレゾーンは一つの家具のような考え方でやりました。これは自分の色がだいぶ強く出ていると思います。90%シナランバーコアで出来ちゃってます。考え方だけの工夫はありますが、納まりについては大反れたことはしていないです。ただ、新規の水平な床意外はすべての柱梁が微妙に水平垂直がどうしても出来ていないので、最終的に凹凸のない家具の箱を構造部に接続させる箇所の「チリ」とかの処理の仕方は意外に悩ましい・・・。
現場の取合いも、塗装も、工事始まってからのほうが本番という感じでした。
地味ながらあの家のディテールが輝いているのは、2階の腰下のFIX窓です。古材の柱の外壁側はでこぼこが酷すぎて防水テープ貼ってもその箇所での防水性は全然頼りに出来ない中で、諸々工夫して、木で枠を作り、必要最低限の板金とシーリングでかなり精度の高い防水がなされていますね。あれは漏れない!!
自分の理想はシーリングな保証程度で、シールなしで漏水しない収まりを理想としています。狂い多い木造ではシーリングは使いはしますが、あまり頼りにしないですね。所詮樹脂、シールは1年で切れる。他、外に曝露している樹脂なんて10年でパリッパリになるんで。
またあったときにでもいろいろお話しましょう。19日にでも汚い図面もっていきましょうか。殴り書きみたいですが、自分にとってはこれが一番の図面としての財産ですね。
強いて言えば、湘南海岸を走って風を感じているからこそ、お客さんと通じ合えるものがあったように思います。と強引に自分が走っていることも仕事の糧となっていることをアピールする自分。
>kagamiさん
Fix窓の収まりか。窓全体の外壁側の収まりはきれいだったけど、水までは考えなかったというか、隠れている部分は図面見ないと判らないから、今度会う時に聞こうという思いでした。
家具はとても苦労をしたのだろうと思いました。また、施主の奥さんが「kagamiさんは大工さんが手強いと言うほど細かい図面を書いてくれました」という一言でその執念がわかりました。
シーリングは当てに出来ないからね。よくシーリング頼みみたいな収まりが有るけど、それの数年後がどうなっているかが気になる。
図面は是非!そして途中を含めて写真も欲しい!
走りが仕事につながっているのは間違いない!
いやぁ~、あの奥さんの要望を形にするには、自分のスタミナが必要だったわけですよ!!奥さんも何のソフト使ったか分りませんが、ワードの多角形ツールみたいな図形で家具のイメージたくさん送ってくれました。ここにこれを入れるみたいな。奥さんも随分徹夜したらしいです。
過去の経験で、一番驚いたのは、エクセルのセルを移動して罫線をたくみに使い図面書いている素人の方も見たことありました。
あの家の家具については、自分と奥さんで長期ゲリラ戦を戦いぬいてきたわけです。キッチンの打合せでは所長は始めは張り切っていろいろ言って来ましたが、細かすぎてフェードアウトしていき、例のキッチンをやってくれた家具屋さんが登場してきて、大枠を家具屋へ引き継ぎつつ、キッチンの細かいことはそちらと奥さんが主にやり取りしながら自分は、古材ならでわの取合いや設備の接続箇所に神経を尖らせ監修していたわけです。結局すべての打合せに立ち会っています。
この仕事の感想として、料理が上手い男の設計者でもかなわないような、主婦の立場が共有できる家具設計者の存在の大きさをまざまざと見せ付けられました。料理は仕事柄やっておくことの重要性はありますが、独身設計者の限界を感じる一線も沢山あります。
実家で吉田のうどんでも教わって、お客さんの家作らせてもらおっと。
素人が書く図面は時に凄い時が有る…
もうね自由だけど、何が目的か凄くわかるね。
スケールとかメチャクチャだけど、目的の物だけが大きく書いてあるから。
設計者もそうだし、職人さんもそうだけど、その受け手がどれだけ懐があるか問われますよね。向こうはこちらのことをプロとして「知っていて当然」という考えで来るので、それに対応できる知識がなければならないし、キッチンなどの一般常識も知らなければならない。
住宅設計の場合は主婦目線が大事だけど、そういう意味では女性設計者は有利かもしれないが、最近は家事の出来ない女性も増えているから難しいところ。上手くキッチンなどをまとめていた設計者としては宮脇檀さんが挙げられるね。
そのうちちゃんと書くけど個人的には「経験者の意見でないと説得力が無い」と考えるから、キッチンの設計とかでも料理をしない人の意見は説得力が無いよね。そういった意味で家事はしなければと思います。同じ考えで「良い生活・ゆとりのある生活」も自分自身が体験しないといけないと考えるので、普段から出来るだけ生活を楽しもうと心がけています。だから仕事はさっさと終わらせて帰りたい派です。なのにこんな時間まで図面描いてます…水が収まらない…
吉田うどんは是非食べたいから案内してね。