ずれ

最近まで仕事でコンペをやっていました。
不況ですから仕事取らないといけないですから。
今回のコンペはネットコンペで個人住宅を提案するものでした。
ネットでのコンペなので施主のイメージが掴みづらい事。
施主が個人で基本的に建築に対して素人な事。
住宅のコンペな事。
など、色々普段の設計とは違って勉強になる事がありました。
例えばパース(完成予想図)などは様々な考え方が有りますが、うちの事務所では基本的に鳥瞰図では提出しません。
それは、実際に建物を見る時に鳥瞰で見る事はないので、鳥瞰で見せてしまうと間違ったイメージを与えてしまうと考えるからです。
特に鳥瞰図では実際の視点から見た時より、全体が見渡せたりするので良く見えてしまいます。
しかしスーケール勘を持っていない素人が見てしまうと、建物全体の大きさを取り違えてしまったりして、完成時に予想と大きく違ってしまうなどという間違いを起こしてしまいます。
少しの事ですが、場合によっては訴訟問題になる恐れもあります。
こう言った事は施主と直接顔を合わせて説明をする場合や、建築家が審査員のコンペの場合などは、イメージを共有出来るので大丈夫なのですが、今回の様な場合はその意識のずれを提案する側が理解していないといけません。
またパース以外にも提案方法も考えなければなりません。
自分と事務所の方針は違っているのですが、自分としては素人の人に建物を説明する場合は広告を作るつもりでプレゼンをします。
どんなにコンセプトを中心としても、デザイン的に優れていても見た人がわからなければ意味ないですし、欲しいと思わせなければ次に進めません。
大体において建築を学んできた人は、自然と抽象的に表現をしてしまいがちだと思います。しかし広告表現は現実的に見せ、その上で想像を膨らまさせなければなりません。
このように考えていくと、建築の世界は他の世界とずれが大きいと思います。もちろんどんな業界にも特殊なことはありますが、建築の場合は時に芸術と言う一言で不自然なことが片付けられてしまいます。
大先生と呼ばれる建築家はそれでも良いのかもしれませんが、実際にはそういった人達こそ現実をつかめています。
これからはプレゼンの方法も情報が多く得られるので様々な手法が必要となります。しかしそこで「何が大事か?」を忘れずにプレゼン相手とのずれを無くすプレゼンを心がけたいと思います。

この記事へのコメント

  1. 「業界の常識と、私達(お客さん)の常識に大きな差があります」と自分もよく言われます。
    こういうのは前向きに解決していくしかないです。でも難しい問題です。

  2. 一応はどんなときでも業界の常識でなく、一般人の常識を尊重するようにしていますが難しいですね。
    そこらへんを上手く調整して説明することが設計者の重要な仕事だと思います。
    シーリング一つでも「シーリングです」って言うのと「隙間に水とか埃が入らないようにするゴムみたいな物です、よく洗面所の端っこにありますでしょ?」って説明するのでは大きな違いが有ると思う。
    専門用語含めて判りやすく説明するのが各々の常識を近づける手段だと思います。