質と時間

「時間を掛けたからって良い物が出来るとは限らない。質と時間は比例しない。」
これは建築家の安藤忠雄さんが言った言葉ですが、全く同意です。
安藤さんは昔デザイナーの田中一光さんの仕事振りを見てそう思ったそうです。
設計やデザインなど決まった答えの無い物を造り出す時は当然ですが考えます。
良い案がすぐ出てくる時も有れば、いくら考えてもなかなか出てこない時も有ります。要は気付くか気付かないかです。
もちろん案を考える為の条件をまとめたり、そのためのデータを把握する為には時間が掛かります。しかしそこから最適な案を導き出すのは閃きです。
よく理論的にデザインを説明する時が有りますが、実際は思いつきが殆どです。
建築で「なぜこの材料を選んだか」とか「この形にしたか」と説明していますが恐らく後付です。なぜならその材料を候補に入れた自体が思いつきなのですから。
よく案が思いつかない時などに「徹夜して考えろ」などど有りますが、個人的には全くの見当違いだと思います。
それならさっさと寝て、すっきりして他の事をして刺激を受けてから考えた方がやわらかい斬新な案が出ると思います。
そんな考えなので僕が案を考える時は時間を掛けません。
一つの事をずっと考えるよりも、たくさん案を出すタイプです。
それから出て来た案を比べて、長所短所をまとめて再度考えます。
そして早めにその案を相手に伝えます。
建築は書道などの様に表現者が満足してそれが評価されるのではなく、相手からの評価ですから。
まあ、こんな事を色々言ってますが、最終的はセンスですけど。
あと、評価は結果だけです。過程は関係有りません。

この記事へのコメント

  1. 自分は住宅しかやってないので、建築を作品と捕らえて
    仕事をすると、「そんなこと許した覚えがない」という
    お客さんがほとんどです。
    事務所(所長)の方針が全てですが、実利的なところに
    事務所の方針があり、特に住宅だとお客さんも
    「先生のお好きなようにでざいんしてください」といって
    も最終的にはいろいろな汚点を指摘されことごとくなくなる
    結果になってしまいます。大体のアイデアは直感的に
    出たものがほとんどですが、どうやらそれを納めるのが
    自分の仕事の一端でもあるようです。
    工務店からは「こういう設計はあまりしないでくださいね、
    長い目で見て建物のメンテ半端じゃなく大変なので」
    といってくれて、ともかくここら辺の話を聞けるのは
    自分の立場の特権であるかもです。
    かといって自分で図面を書いてみると、できそうでできない
    狭間でいろいろ考える必要があります。
    以前の工務店は助かるぐらいに、性能設計のノウハウを
    知っていたので大変勉強になりましたが。
    そこらへんになると、工務店に意図とその意味、お客さんの
    理解度を説明し上で、腰を動かしてくれます。
    自分が思うのは、納まりレベルの意味で言えば
    アイデアのための性能設計は時間を掛ければ掛けるほど
    汚点に気づくし、対策も考えられる、傾向と対策が十分
    に練ることができるのは確かだと思います。
    提案したデザイン・アイデアの納まりの保障を掛けている
    という時間でしょうか。
    たけしさんの言う、アイデアに時間をかけるという
    意味では少し違うことをここでは言ってますが、
    結局ファーストイメージがアイデアの塊になってしまう
    ことが多い感じがします。確かにそこには時間はない。
    でもショップなどアイデアを施主から求められている
    仕事になると、アイデアの案もいろいろないと
    説得できるものもできなくなってしまいそうですね。
    さすがに「これがいい!!!」だけで許してくれるのは
    長い付合いで信用を勝ち得ているデザイナーだけだと思う。
    そんか感じで思ってたようです。自分は。

  2. たしかに違う事を言っているけど、根本はそんなに遠く無いと思うよ。
    そういったアイデアを出す事に時間を掛けないのは一緒だから。
    僕が言っているのは「アイデアを出す事に時間を掛けない」事が主題だからその後の検討は時間を掛けても関係ない事。
    よく自分が思いついたアイデアを「できるか・できないか」などあーでもないこーでもないと延々と考えてる場合が有るでしょ?それが仕事としては無駄かなと。
    考えてわからないならすぐみんなで検討すれば良いと思う。「三人寄れば文殊の知恵」ですね。
    折角事務所としてみんなでやっているのならばみんなで共同して考えた方が早く良い案が出ると思う。
    それこそ施主は誰が考えたかなんて気にしない。
    もちろん経験や覚えるために考える時間や調べる時間は必要だけど、それは仕事中ではなく自分の時間でやるべき事だと思う。自分の勉強不足なのだから。まあ調べる位は良いけど。
    性能設計の検討や収まりの検討は実際作業としてデザインとは別次元の作業だと思う。
    どちらかと言うと検証作業に近いかな?
    いかにシミュレーションが出来るか。想像力が必要だね。
    これは当然有る程度時間掛けるべきだと思うよ。
    違う方の話しだけど、うちの事務所は知らないが僕自身として「建物を作品」として捕らえる設計はしないよ。それは主義として違う事。
    もちろん施主の言いなりはいけないけど、話しあいながら創り上げて行きたいと考えている。
    そんなに自分のデザインと言うか、意匠性に自信を持っている訳でないし。絵も下手だし。