少し前ですが2026/7/24に、いすみラーニングセンター・あいだけんなど色々なところでお世話になっているシブヤさんが担当された案件が竣工されて内覧会を行うとの事で参加してきました。規模は9階建て木+鉄骨造の事務所ビルです。最近いくつか木造非住宅の案件を見ていますが、このくらいの階数を内覧会として見るのは初めてです。今回採用している様々な取り組みは写真より読み取ってほしいと思います。

【敷地について】
敷地は秋葉原と浅草橋の中間で道路と運河に挟まれた場所。西側が小さな公園のため3方開放された恵まれた立地です。1方が閉じられているので、自然とコアの位置や形態は整理できたのだと思います。形が綺麗に整理されているので、今回取り入れているものがよく分かります。

【木と鉄骨の使い分け】
柱や梁は「木に耐火被覆(ボード)を巻いて対応」したものと「鉄骨に木の耐火被覆を巻いて対応」したものの2種類があります。できあがるとほぼ同じに見えますが、シンプルな室内だと比較してみることができるので、太さや納まりの違いが分かりやすい。また木柱は南北の端にきているので、鉄骨造のコアと木造との関係がよく見えます。
【設備まわり・天井について】
木+鉄骨の関係は設備にも関係していて、天井の配管・配線などの納まりが凄くシビアになっています。天井内で配管などを回す時は梁が影響するのでスリーブ(穴)で対応しますが、木の梁だと大きさ・間隔・数・高さなどが限られます。また電気・ガス・空気など圧力をかけられるものはある程度高さ関係を無視できますが、排水などは重力によるのでルートが限られます。これが空調換気のエリア設定、機器の配置にも関係してPSの位置も決まります。

照明配置なども整理した結果、目線レベルのスッキリさに比べて天井は大混雑。しかも天井現しにしているので、配管なども見られることを意識して施工しなければならず、設計〜施工図検討〜施工は大変だっただろうと感じました。
【天井レベルの設定について】
木の梁と鉄骨の梁が混在するため梁成に差が出ます。天井を張る場合は仕上面で揃いますが、現しにすると梁底に設備面を合わせる際にどちらに合わせるか迷います。意匠的に梁をふかして高さを揃える対応もありますが、このようなプロジェクトだと構造体の量を減らすことは重要な命題。正解はないですが、今後検討に値するポイントだと個人的には感じました。
【共用部・屋上について】
内覧会を行う案件だと、共用部は昔に比べて大きく変わった印象を受けました。以前はメンテナンス用として最小限・効率的に考えていましたが、最近は利用者の休憩所・別の仕事場的な場所になっています。それに合わせて景色・目隠し・飛散防止なども考えられており、残されたデザインスペースになりつつあると感じています。外部階段の手摺が高め・ルーバーで目隠しされているのは、恐怖心を押さえてくれるので高評価です。

【木製OAフロアについて】
木製のOAフロアを設けている階がありますが、これは仕上をしない階のみ。ディスプレイ的な意味も大きい。他の階はプラスチック製品のOAフロアで、理由は性能もありますが価格です。まだ木製は数が少なく価格が高い状況ですが、今後採用が増えて価格が抑えられてきたら環境的な面は大きく変わると思います。こういった木への意識が高い案件では積極的に使用してもらって単価を下げていってほしいところです。

他にも今回は渋谷さんの繋がりで色々採用されているのが分かり、面白いと同時に嬉しかった。どれも品質がしっかりしたものなので、事業者がそれを理解した上で採用している状態が増える形を作っています。渋谷さんが色々立ち位置を変化させて実験しているのが見れて良かったです。
