蛍・納屋を焼く・その他短編 - 村上春樹
ISBN:978-4101001333
タイトルから解るとおり短編集です。確か7つの作品が収録されています。
どれも独立していて、収録作品の中では相互関係していません。
しかし「蛍」はノルウェーの森の元になった短編で、「納屋を焼く」はダンス・ダンス・ダンスの発想の基になったのではないかと言われています。
蛍に関してはそのまま「ノルウェーの森が始まるのではないか?」と思うくらい一緒です。恐ろしいくらい一緒です。素人考えだと、長編にする時に少しは書き換えると思うのですが全くしていません。むしろ元々長編があって、その宣伝として短編を出した感じです。しかしその短編だけでも読み物として完結しているのは流石です。
他の短編も相変わらず非現実で面白い。恐らく何かしらの暗喩が含まれていると思うが、単純に「本当にこんな生活したら楽しそうだなー」と思うくらい非現実。村上春樹の短編はこういった何かしらのユーモアと言うか遊びがあるので読みやすい。極端に言えば長編と短編では違う作家の様に読める。
長編は長編で好きで、とめどなく読めてしまうのだけど、一応は気構える部分が有る時も有る。短編では何故かその様な事が無いので、気軽に手を出せる。文章が上手いだけあって、時々「気楽に書きすぎているのでは?」と思わせる文章も有るけど。