
過去に建築雑誌「GA」に掲載されたインタビューを中心として構成された本。
自分の作品の説明をするというよりは、タイトル通り作品を通してどのように設計をしたか、設計に対する考え方などを対話形式でテーマを絞り書かれている。
通常建築雑誌などでは建物に対する考え方や説明が殆どで、技術的でしかも設計する上でのテクニックが書かれているのはまれなので読み応えが有ると同時に役に立つ。
一例ではスケール感を保つ為にどんなに大きな建物でも必ず1/100の図面で確認するなど。細かい事だけどその一手間が質を保つ為に役立っている事が解る。
内容的に設計の技術論・思考法が主なので読み手もその分野が対象だが、それなりに写真も有り作品に対する説明も有るので、設計者でない安藤ファンでもそれなりに楽しめると思う。
ちなみにこの本自体は数年前に購入して読んでいたのだけど、今回読み直してみて色々と再認識できた。
当然一度読んで全てを理解することは出来ないので、理解度を上げるためには数回読む事になるが、今回の場合は自分が仕事をして理解出来るレベルになったことを感じた。
最近GAでは施工中の現場経過を載せていて場合によっては指示書なども載せているので、実際の仕事の進め方を知る上ではかなり貴重な資料を得ることが出来る。
今後このような本が多くなってくれると色々な面で参考になるのでうれしい。
建築手法/安藤忠雄・二川幸夫
GAってずいぶん技術的なものがあるんですね。
ともあれ、安藤さんが一律1/100でみるとは少し
たとえが違いますが、昔見た伊東忠太展では
どんな図面にも必ず人がいた。
1/5でも、1/300でも。ずいぶんそれもぱっとスケールが
わかりましたよ。1/100一律で見るということは
どの規模の建物でも、読める範囲の仕様も一律で
チェックしているということですね。
>>kagamiさん
確かに人を入れてる図面は多いよね。
スケールも解りやすいし。
ただ、間違ってはいけないのはきちんと対象に合った人間を描いているかという事。
家族全員が180cmを超えている人の住宅を設計している時に、一般的な170cm位のスケールで人間を描き込んでいたら意味無いし。
あと、この本で安藤さんは1/100で図面を描く理由として「1/100ならば自分の体にスケールが染込んでいてすぐにイメージが出来る。図面を見た瞬間にスケールアウトしているかなど判断が出来る」という旨の発言をしていた。
住宅から設計を始め大規模建築を設計するようになった時にスケールを間違わないようにするために行き着いた手法らしい。
そう考えるとCADで図面を描いてばかりいて、縮小図面ばかりを見ている事が多い現在はなかなかスケール感が身に付かないなー。