ロミオとジュリエット

ロミオとジュリエット - シェイクスピア
ISBN:978-4102020012

とても有名な作品で、一般的には劇で触れる事は有っても文章で読むことは少ないのでは?
そもそもシェイクスピアの作品を文章で「読む」事すら普通でなく、劇場や映像で「観る」事が普通でしょう。

作品全体を知るには映像で観た方が良いでしょうが、話しを知りたいならば本の方が俳優の印象などが無い分、純粋に楽しめます。自分自身で場面場面を想像すれば良いので。
しかもシェイクスピアの作品は劇を前提として書かれているので、全てと言って良いほど台詞で構成されています。絵は無いですが、文章だけを考えたら漫画・ドラマと同じなので、普通の小説などと比べたらとても読みやすいと思います。

題名はとても有名です。
なんかバルコニーかで「あなたは何でロミオなの?」などと叫んでいる場面も有名です。
(そんな質問されても困るけど)
あと、劇だと言うのも知られていると思います。

人それぞれの生活習慣が有りますが、一般的な人だとここら辺までが知られていて、話しの背景や流れ・結末まで知っている人はどれだけいるのでしょうか?
女性ならもっと知っている人が多いのでしょうか?また、昔の人や、良い家の人は知っているのかな?
とにかく、僕は有名なのに全然知らなかったし、回りにも知っている人は少なかったです。

と言うことで、単純に好奇心・知識欲として読みました。

いやー、なかなか面白い。
一般的に知られている場面は話しのクライマックスではなく前半(起承転結の承くらい)。しかも話しの本質から考えると、その場面は重要でなくその後の経過の方が作者は愛を伝える場面として重要視していたのではないかと思わせるくらい。
そして終わり方は、その当時では悲劇なのかもしれないが、現代では喜劇になってしまうのではないか?

当時は劇と言うことも有り、話の複雑性は無いのは仕方ないが、それでも「悲劇なのかなー?」と思ってしまう。なんとなく「夢オチ」に近い雰囲気を感じてしまう。

また、これはたまたま手に入れた本だけの事かもしれないが、翻訳が面白かった。
翻訳は当然のごとく直訳ではなく意訳で、それも話し全体や時代・歴史などを考慮して訳さなければならない。故に翻訳者で作品の評価も変わってしまう。ロシア文学などはもう少しくだけた翻訳が昔に有ったら、今ほど難しい印象や評価を受けてないのではと思うくらい。

僕が読んだ本の翻訳者は一般的な評価は知らないが、僕としてはとても様々な要素を考慮して上手く翻訳してくれたと思います。
なんせロミオが「べらんめえ調」、江戸っ子です。
まあ、確かに戦後に翻訳されて、色男・心意気があるなどの性格を取り入れて、会話調で日本語で日本の習慣に照らし合わせて翻訳するなら江戸っ子で正しいのかも。僕としてはこのべらんめえ調で大分その場面の雰囲気がわかりました。逆に当時の欧州文化を基本とした雰囲気を一生懸命に綺麗な日本語で書かれても、その素養の無い僕にはわからなかったでしょう。

当初は教養の感じで読んだ本ですが、思いもよらぬ楽しさでした。
前のベニスの商人と同じく、劇の本はわかりやすくて良いです。