液状化

海岸沿いの地震が起こると問題になるのが液状化現象です。
言葉は聴くけど、実際には何なの?って人も多いと思います。
僕も建築やるまで知らなかったです。

簡単に言うと「地震の振動によって地下水が上昇して地盤が緩む」事です。
その状態が砂場で水遊びした場合の様になります。コンクリートの液体状の時が近いです。

この液状化、基本的には埋立地などの昔海だった場所に起こる確率が高いです。
ただ、理論的には地耐力の弱い砂質地盤(粒度の比率も関係する)で地下水位の高い場合に発生率が高くなるので、海沿いでなくても水田跡や河川付近はもちろん、条件に該当する場所ならばどこでも起きる可能性はあります。今回の震災でも埼玉県などの内陸部でも起こっています。

基本的に地盤は昔に陸地だった所が耐力が強いので、江戸時代や平安時代、縄文時代などの海の範囲を見ればある程度想像できます。また、地名もその付近を表したものが一般的なので、地名に「川」「海」「岸」「沼」「谷」など水に関連する文字が含まれる時は、地盤が悪い事を想定して設計をします。もちろん地盤調査などは追ってしますが。

しかし液状化が問題になるのは最近、戦後に埋め立てた土地が多いような気がします。
東京の港湾部は戦後に埋め立てた所が多いですが、そもそも東京の中心地(江戸城周辺)は湿地帯で、江戸時代から結構な範囲を埋め立てています。

埋め立ての土木技術は江戸時代より最近の方が良いはずなのに、何故最近の方ばかり液状化するのでしょうか?昔はきちんと土で埋めていて、最近は廃棄物で埋めているからでしょうか?
良くわかりません。

一応、建物の液状化の対策としては、建築時に地盤層まで杭を打つことや、地盤改良があります。どちらもコストが掛かるので、施主に説明しても建物自体の構造計算上必要で無ければ採用される事は少ないです。設計時に「通常時は問題ないですが、地震時に影響が出ます」と説明しても、想定地震の規模を考えると「うちは大丈夫」と思ってしまうのか、踏ん切りがつかないみたいです。現在では逆に必要なくても付けてくれと言われそうですが。
ただ、地盤改良しても建物部分は良いですが、庭などの部分もやらないと建物だけ残ってしまいますし、道路などがされていないと自分の敷地だけが残ってしまいます。液状化の場合、地下に埋設されている上下水道、ガス、電気などの管への影響が大きいので、建物だけ残っても廻りの設備が復旧するまで使用出来ない場合があります。建物の改修分を考えればそれでも大きいですが。