最近読み直した本で黒川紀章が「思想の一貫性と形態の非一貫性」という事を話しています。
「建築とは場所・時代・クライアントの要望・予算などで形が変わるものであり、どんな所でも同じものを造っているのは個性の表現でしかない」と説明しています。
それを受けて大事なのは思想がぶれない事だと話しています。
とても興味深い話です。
黒川紀章は晩年都知事選に出たりして面白いおじさんのイメージが強いかもしれませんが「共生」と言う思想の元、理論的な建築論を語る人でした。
建築論だけでなく考え方と言うのは色々有り、それが交わるからこそ偶然や必然なものが生まれてくると思います。
同じ敷地でも設計する人が変われば建つ建物も変わります。
そして同じ建築家でも条件が変われば建物も変わります。
その変化について黒川紀章が明快な回答を述べています。
実際に自分が設計する時思想を持っているか?一貫しているか?
それを実現する事はとても大変な事です。
今まで自分は自分のスタイルを通す方法の方が多かったです。
それだけに変化に対して慎重でしたし、臆病でした。
もちろん変化しないと言う思想も有ります。
その建築をした意味、それを説明出来れば良いのですが、出来ない場合は思想が無いとなります。
絵画などの芸術作品と同様、建築にも作家のスタイルというのが有ります。
今まではそれを表面的に見て、目に見えるものだけで考えていました。
しかし建物を見る時、実際に自分が設計する場合はどう考える?何故この建物になったか?そのような事を考え建物と向き合わなければならない事を学びました。
自分の場合はまだ思想を持っていません。
しかしおぼろげながら思想の断片が見えています。
それを早く自分のものにしなければなりません。
やっと建築に対して哲学的に考えられる様になってきました。